特集

飾ることが毎年の楽しみになる段飾り。

昭和20年頃に、先代の櫻井昭二が作った一対の男女のこけしから始まった「ひいな」。
以来、「ひいな」製作に毎年力を入れ、
20年が経った昭和40年頃に段飾りも製作するよになりました。
昭二が初孫に贈った段飾りが櫻井家に今も残っています。
その段飾りとともに、昭二のものづくりへの向き合い方と技術も今の櫻井家に残されました。

昭二が初孫に贈った段飾り 

一対のこけしから、段飾りのお雛様へ

先代の櫻井昭二が作った一対の男女のこけしから始まった「ひいな」。以来、昭二は「ひいな」の製作に意欲的に向き合い、挑戦し続け、毎年発展させました。それから20年を経て作られた段飾りは、こけし作りの技術がふんだんに使われ、木のぬくもりに溢れ、豊かな描彩で表現されています。店内に昭二が初孫に贈った、段飾りの「ひいな」を飾っていたところ、是非段飾りを製作してほしいとの声をたくさんいただき、2019年に現工人の櫻井昭寛と尚道が、新たな段飾りを製作しました。

昭寛作  「昭二型 十五人飾り」 2019

 

尚道作  「花雫 十五人飾り」  2019 

今の時代、今の工人による新しい「ひいな」

櫻井家に伝わる「伝統」とは「挑戦する精神」を受け継ぐこと。昭二の子の五代目昭寛と孫の六代目尚道が受け継いだのは、「ひいな」の色・形ではなく、ものづくりに向き合い挑戦する精神。昭二もそうだったように、昭寛も尚道もそれぞれの個性をもって、今の時代にあった段飾りを生み出します。昭寛が製作した「昭二型」の段飾りは、昭二のコピーではなく、フォルムが現代的に洗練され、昭寛らしさを感じ取れる描彩で作られています。また、尚道が製作した「花雫」の段飾りは、現代のライフスタイルや価値観を意識し、先人たちとは異なる佇まいで作られています。全く異なる「ひいな」ですが、どちらも櫻井家の伝統の「挑戦する精神」によって生み出された、櫻井家伝統のこけしです。段飾りを作り始めて4年。今年も、さらに発展された段飾りや、新しく製作されたシリーズなど様々な段飾りを取り揃えております。

 

昭寛作「花桃美空十五人飾り」 

昭寛作「薄桜若葉十人飾り」 

昭寛作「薄桜若葉十人飾り」

 

昭寛作「昭二型五人飾り」 

「花みずき十人飾り」 

年に一度、箱から出して飾る楽しみを

男女一対の親王飾りに比べ、華やかさのある段飾りは桃の節句をより一層彩りますが、飾り付けの手間や大きさで、年々飾らなくなってしまうというお悩みをよく耳にします。桜井こけし店のひいなの段飾りは、飾りやすさ、収納しやすさも大切に製作しています。ひな祭りが終わったら、飾り台として使っていた桐箱へ入れて、使えば使うほど柔らかくなる麻の布で包んですっきりと片付けられます。持ち運びもしやすく、転勤・引っ越しが多い方、収納スペースの少ないマンションにお住いの方などにもおすすめです。また、「ひいな」は、こけしの技術で作った木のお雛様です。お子様が生まれた年に製作された「ひいな」は、お子様の成長とともに木肌に自然の艶が生まれ、毎年少しずつ飴色へ変化していきます。寒さ和らぐ頃、お子様の幸福を願いながらか飾りつけ、優しくあたたかい気持ちで春を待つ桃の節句を、毎年の楽しみとして迎えていただきたい想いを形にした箱と包みで届けしています。